『シオン…。

時にシオン《茨木童子》という

鬼を知らないか?

オレと同じ二つのガラスのような

ツノを持つ女の鬼なんだが…』




『茨木童子…。

もしかして…あの子の事かな?』




『心当たりがあるのか?!』




『えぇ。

でもどうして?

まさか恋仲…?!』




『だっ断じてそうではない///』




『ふふっ♪

その子ならあなたをずーっと

待ってるよ♪』




『そうか…』




『暴れる前に先にそっちに

行ってあげると良かったんじゃない?』




『っ///

放っておけ///』




『ほらほら♪

行ってあげないと♪』




『分かっている///』




オレはその場から離れいつもの場所に行った。



生涯絶えず咲き続ける桜の下に。




『紫乃(shino)…』




オレは名を呼んだ…。



茨木童子になる前の彼女の名を。



『童…子?』




紫乃は俺に気づくなりオレに飛びついてきた。



嬉しく思い恥ずかしいと思った。




『オレは紫乃に詫びないといけない』




『うんん。

おかえり…。

帰ってきてくれてありがとう』