〜150年前〜




『酒呑童子。

あなた昔もそうやって暴れたわよね。

京都の街で人に退治されて。

なのにどうしてまた暴れるの?』




オレは目の前の美しい桜九尾の前で咳き込んだ。




『人が憎いからだ。

オレは昔は何もしていなかった。

なのに人間はオレを封じた』




『あなた…気づいてなかったの?』




『何にだ?』




『ふふっ。

それに気づけたら教えてあげる』




『結局教えてはくれないのか…』




『そうみたい♪』




オレはその場に立って土煙を払った。




『真面目に恨んだオレが

馬鹿のようだな…』




『そうよ♪』




『オレを殺さないのか?

今は正気だが自我をなくせば

殺人鬼と化すぞ?』




『もしそうなったら

また私が退治してあげる♪』




『!?

…クク。

面白きことを言うのだな』




『へへ♪

でもあなたに勝ったもん♪』




『そうだな…♪

名はなんと申す?

オレは知っているだろうが酒呑童子。

童子と呼ばれている』




『私はシオン。

狐桜 シオンよ♪』