〝オレが正気である限り

こいつらには手は出させない〟




っ?!



どういうこと?



だって…お母さんを殺したのは…。



だめだ…。



私の中の記憶の酒呑童子と目の前にいる酒呑童子が矛盾しすぎてる。




〝シオンの娘から手を引け〟




「あなたがどんな約束をしていようと

それは私には関係有りません」




その時見えた陰狼の目は怒りや憎しみ憎悪、全ての感情が静かに詰まっていた。




〝あんたは俺達妖に何をされた?

何故そこまでオレ達を恨む?

どうしてシオンの娘にこだわる?〟




「ックックック。

そんなに私のことが知りたいですか?」




〝答えるか否かそれだけを聞いている〟




「答えるきはもうとうありません」




〝そうか。

ならシオンの娘を返してもらう〟




酒呑童子は刀を構えた。




「いいのですか?

これ以上でていたら

正気でいられなくなり誰それ構わず

殺してしまうのではないのですか?」




〝…〟




酒呑童子は何を言われてもずっと冷静だった。



正気でいられなくなる…。




「どういう…こと?」




「そのままですよ。

このまま時間が経てば彼は

誰それ構わず殺してしまう本当の

《殺人鬼》になるってことですよ」




「そんな…」




「かといってあの体の本人も

もう自我に戻ることもできない」




っ!!



っ遥!!