そう言って陰狼は鍵をしっかり閉じ地下牢を出た。
…。
明日の朝俺は消える。
雪莉の死だけは絶対に止める。
「雪莉…。
あんたは本当に陰狼の式になって
いいのか?
少なくとも、
昔のあんたはそんなことは絶対に
望まなかったはずだ」
「…分からない」
っ?!
喋った…のか?!
「私は…私自身が誰なのか…
何のために生きているのか
なぜ生まれたのか…分からない」
…分からない…か。
「…あなたは誰?」
…っ。
胸に針が刺さったような感覚に襲われた。
「私が……分かるのは…、
あの方に仕えろと。
ただそれだけ。
それまでの記憶は何もない」
「雪莉は、全て忘れてしまったのか?
初めて会った日のことや、
誕生日会のことや
話した事、みんなからの思い出全て
失ったのか?
…また、失ったのか…?」
「…何を言って…」
「あの時あんたを失って
初めて気付かされたんだ。
あんたを失うのは自分の死より辛い。
あんたが飛ばされた世界へ
時空を超えてきても、
あんたは何も覚えてはいなかった。
そして、やっと全て思い出した雪莉は
俺達の前から消えようとした」
っ?
俺はまた泣いているのか?
っ。
頬に伝う涙に驚いた。
…。
明日の朝俺は消える。
雪莉の死だけは絶対に止める。
「雪莉…。
あんたは本当に陰狼の式になって
いいのか?
少なくとも、
昔のあんたはそんなことは絶対に
望まなかったはずだ」
「…分からない」
っ?!
喋った…のか?!
「私は…私自身が誰なのか…
何のために生きているのか
なぜ生まれたのか…分からない」
…分からない…か。
「…あなたは誰?」
…っ。
胸に針が刺さったような感覚に襲われた。
「私が……分かるのは…、
あの方に仕えろと。
ただそれだけ。
それまでの記憶は何もない」
「雪莉は、全て忘れてしまったのか?
初めて会った日のことや、
誕生日会のことや
話した事、みんなからの思い出全て
失ったのか?
…また、失ったのか…?」
「…何を言って…」
「あの時あんたを失って
初めて気付かされたんだ。
あんたを失うのは自分の死より辛い。
あんたが飛ばされた世界へ
時空を超えてきても、
あんたは何も覚えてはいなかった。
そして、やっと全て思い出した雪莉は
俺達の前から消えようとした」
っ?
俺はまた泣いているのか?
っ。
頬に伝う涙に驚いた。
