桜ノ雫 ~記憶編~


陰狼はユウ、冬紀、輝、優希の四人を妖怪にそばに連れてこらすと取り引きを持ちかけた。




「遥やめるんだ…」




「僕達なら…平気だから」




優希と冬紀はそう言った。



力封じをされてボロボロな人に大丈夫と言われても苦しいだけだ。



…あの時の雪莉もこんな気持ちだったのか?



彼方の世界で雪莉は倒れる俺達と引き換えに陰狼の元へ捕まった。



辛かったんだと思う。




「それでみんなは助かるのか?」




「えぇ。

そこの《四人は》ですがね。

文句があるようなら私の命を削り

この四人に一生解けることのない

封印をかけます」




っ!!



この条件だと雪莉がっ。



だが、そうしなければ冬紀達が…。




「あぁ。

この子に殺させることもできますね」




「っ?!

っやめろ!!」




陰狼は自分の後ろ側にいる雪莉を唐傘で差しながら言った。




「…分かった」




「っ?!

やめて下さい!」




「遥!!」




「…遥」




「っどうして…」




みんなは止めようと色々言ってくれた。