桜ノ雫 ~記憶編~

「雪莉っ!」




「…は……るっ」




式札の力が強い…。



このままじゃ…みんなが。



この式札は妖怪の血を引くすべてのものを操れる様にする術札。



絶対…みんなを陰狼の式にはさせない!



陰狼は薄気味悪く笑った。




「いつまでも何処までも甘いですね。

だから何も守れない。

何も救えない」




「っ何を?!」




「さぁ!

終幕ですよ…!」




陰狼は内ポケットからさらに式札を出して遥と私向けて投げた。




「雪莉!!

遥!!」



輝が自分に向けられる式札を避けながらこっちに向いた。




「冬紀なんとかできませんか?!」




「どうして僕に言うのさ!?」




「っ…」




みんなが荒ぶる中私はパニックになった。



このままだと遥が、それに私も…!



どうしたら…!



私だってこの式札に触ると…。



でもこのままじゃ…!!




「っ!!

遥逃げて!!」




私は式札が当たる瞬間遥を突き飛ばした。



詰まり遥の式札と私を追っていた式札を全て受けたということ。




「っ!!」




「雪莉!!」




輝が一早く異変に気付いて声を荒立てた。



っ!!



頭の中が占領される…!!