それにみんなもいるし…。



これでも一生懸命走ったんだけどね…。




「全て思い出したのか?」




「雪莉さん…」




「どうして来たの…?」




自分でもビックリするくらい低い声だった。




「結界は破れちゃったんだね」




「あの結界は遥と雪莉の力。

詰まり遥はあの結界を出入りできる。

遥に少しだけ妖力を抜いてもらって

俺が結界を消した」




「相変わらず頭いいね♪

…優希」




「っ?!

…やっぱり記憶戻ってたんだね」




「…」




「何処まで思い出したの?

いつから?」




いつから…なのかな?




〝おい!!

我らに背を向ける度胸。

どう詫びる!〟




妖怪達はまたさらに物影から姿を現した。



っ!!



やっぱりまだいた。




でもこれも一部…。





「優希。

話はあとだよ。

今はこの妖怪の山をなんとかしないと」




輝は変幻した。



続いて遥、冬紀、ユウ。



優希は左手袋を外し木の上に行った。