雪莉(side)
私のせい。
全部…全部。
遥の顔を見たら涙が溢れて。
私ダメだな…。
みんなに迷惑ばっかりかけて…。
もう、こんな事終わりにしよう。
「雪莉…」
心配そうに遥が見つめる。
みんなの顔も…。
「ごめんなさい。
私もケジメつけないとね…。
こんな事全部終わりにするから…」
私はずっと私の側にいたカレンを置いて部屋を飛び出した。
「雪莉!」
その時冬紀に止められそうになったけどそのまま避けて旅館を出た。
私が終わらせないとダメだから。
これ以上みんなに迷惑かけたくない。
これからずっと迷惑をかけるのと、今ここで一つ自己中な迷惑をかけるのとだったら自己中することを選ぶ。
出る際に莉全体の結界からの妖力を半分取った。
少なくとも輝たちが出られない程度残して。
体力少し戻った…。
私もすぐに深い眠りにつくから。
最後に無理ぐらいしてもいいよね。
少し前から気づいてた。
私は桜九尾の掟を破っているから死ぬってこと。
っ?!
雪でよく見えないけどたくさん囲まれてる。
そんなに私の力が欲しいのかな?
仲間を守ることのできないこんな力なんて私は嫌い…。
「出てきなさい。
心を無くした悲しき妖達。
長きに渡るこの行事
…沈めて見せましょう」
私だって弱くない…!
胸の前で揺れる遥がくれたネックレスを握った。