「ユウ、冬紀。

二人もいいの?」




「僕には拒否権はないよ。

…勿論遥にもユウにも……」




「はい…」




その通りだ…。



俺達自身には時空渡の力はない。



琶音と琴音の力にも限界がある。




「…はぁ……。

分かった。

三人の意見は変えられないみたいだね」




何故だ?



輝は全てを知っているような…そんなような気がする。


頭に何か引っかかるこの違和感。



「どうかした?」



っ?!



急に目の前に輝の顔が来て驚いた。



輝の目はいつもと違う淡く桜色に光っていた。



淡く怪しく光る目に一瞬見入ってしまった。



…。




「いや、何でもない」




…何を考えていた…んだ…?



確か…輝に違和感…を…?



違和感…?



なぜ違和感を感じた?



…?



思い出せない…。




「何か来た…!」




っ?!



急に飛び起きる雪莉に少し驚いた。




「雪莉さん。

数と種類、分かりますか?」




「待って」




雪莉はそのまま俺の腕を握り目を瞑った。




「何…これ…。

こんな数…見たことない…」




「雪莉?」




震えだした雪莉の肩に手を置いた。



すると雪莉は涙をこぼし始めた。