桜ノ雫 ~記憶編~

その後ろでいかにも不機嫌な冬紀。




「いつから聞いてたの?」




優希が警戒気味に聞いた。




「『この山が雪莉を欲しがっている』

っていうところからだけど?」




…不機嫌だな。




「…で?

これからどうすんの?

今の話が本当なら僕ら

この山から出られないよ?」




「はい。

おそらくこの山は

この山全ての妖怪を使ってでも

この山から雪莉さんを出さない。

無論僕達も同じです」




「だから私が結界を…」




「ダメだよ。

雪莉自分でも気がついてるんでしょ?

自分の妖力が減っているってこと」



雪莉の言葉を遮るように輝が言った。




「雪莉さんのついになる人を

見つけることができれば…」





「「「「「 !!? 」」」」」




それだ!!



ユウ以外のすべての人がそう思ったのだろう。



その証拠に同じ顔をしている。




雪莉のついになる人。



例えば、太陽があれば月がある。



光があれば影があり、コインも表があれば裏がある。



詰まり雪莉と切っても切れない深い縁のある人をこの中から探すということだ。




「そのついを探すのは俺ができる。

だから、急ごう!」