優希が何かを言おうとした瞬間、雪莉の真後ろにあったガラスが割れた。
何かに割れたというわけではない。
外からの突風に割れたような割れ方をした。
ガラスの破片をそのままかぶった雪莉は服の至る所にガラス破片が刺さっていた。
少しでも動けば皮膚に傷をつけるというふうに。
「雪莉…!!」
俺は雪莉の側に駆け寄って慎重にガラスの破片をとった。
「…だめだっ!
もう時間がない!!」
「何を言って…」
優希は急に焦りだした。
「知ってるでしょ?
この山は雪莉の生まれたとこであり
死んだところでもある。
この山は雪莉を欲しがっているんだ!
いや、この世界は…
といったほうがいいかもしれない」
欲しがっている?!
「…どういうことだ?」
「詰まり…」
ガッシャン!!
「またか?!」
優希が何かを言おうとしたら優希の後ろのガラスが割れた。
ガラスの破片は優希の頬をかすめ優希の頬は赤い線を引いた。
「雪莉を取り込む事で、
ここにとどめることでこの世界は
秩序の輪を直そうとしているんだ。
そしてそのために邪魔な俺達を
殺そうとしてるんだよ」
お手上げのように虚しく笑う優希の目は絶望感で満ち溢れていた。
