しばらく走って目的の場所に着いた私達の目に入ってきたのは信じたくない悲しい状況だった。




「っ!!」




目の前に広がるこの町の妖怪の変わり果てた姿。



昔から仲良くしていた妖怪が目の前に倒れている。




どくん。どくん。




胸が痛い。



苦しい。




私は仲の良かった座敷童、
琶音(hanon)君の所へ駆け寄った。




「琶音君!!」




駆け寄った私に続いて輝も琶音君に駆け寄った。




「…っ……」




息がある!



でも、酷い傷…。



それに琴音(kotone)ちゃんの姿が見えない。



助けなきゃ…。



私の大切な友達を。




「輝!!

琴音ちゃんを探して!

私は琶音を助ける…」




「…雪莉…。

でも、琶音の傷は大きすぎる。

それを治すってことはどういうことか

わかるよね?」




分かってる…。




「分かってるけど、琶音君が

死んじゃうのは嫌!

琶音君は私のはじめての

大切な友達だから…!」