桜ノ雫 ~記憶編~



倒れる…!



前に倒れそうになった雪莉を見て直ぐに支えた。



…危なっかしい。



そのまま雪莉を横に寝かせると窓に目をやった。



山の木ばかりで何も変わらない景色に少しため息をつくと




「私……は…」




っ?!



急に声がしたので俺は驚いて雪莉の方を見た。



しかし雪莉は眠っていた。



寝言…か。



少しあたりを見ると輝もユウも冬紀も優希も眠っていた。




「私…は、どうし……て…。

産ま…れた………の…?」




そう言って泣いていた。



っ雪莉…。



俺は何もしてやれない。



そう、いつもそうなんだ。



俺が雪莉に助けられてもそれを返すことはできない。



俺は着ていた上着を雪莉に被せ席に戻った。




〝遥さん〟




っ?!



誰だ?!



急に聞こえた声に驚いて辺りを見回したが…、何もいない。



気のせいか?




〝気のせいかで済まさないでよ。

ココだよ〟




ココ…?



俺は、雪莉の隣のカレンにふと目が行った。




「まさかカレンか?」




〝正解♪〟




「あんたは喋れるのか?」




〝正確には《なった》んだけどね〟




「そうか…。

で、どうかしたのか?」




〝うん。

回りくどいのは苦手だから単刀直入

に言わせてもらいます。

今から行く雪山は雪莉ちゃんの…

うんん、この物語の

すべての始まりの場所だよ〟