「…うん」
何処か悲しそうな雪莉の顔を見た後チラッと窓を見た。
太陽に照らさて輝く海は本当に綺麗だった。
雪莉は輝が去った後俺の方を向いて
「ねぇ、もしだよ?
…もし自分がここにいては
いけないって気付いた時…。
気づいてしまった時どうする?」
「俺ならどうするか…か」
雪莉はどうしたんだ?
「俺なら…、消えようとする」
俺が酒呑童子の血が混ざっているとばれた時消えようとした。
「そっか…」
「…だが。
消えようとするとある人に
『消えるな』と言われた。
近寄るなと言った俺に対しその
ある人は
『離れたくない。
もう、誰も失いたくない』と言った」
雪莉はハッとしたような顔になった。
だが多分偶然だろう。
雪莉が覚えてはいないのだから。
この事は雪莉が言ったことだ。
「急にどうしかしたのか?」
「…うんん♪」
??
俺は電車に揺られながらだんだんと眠くなった。
それは雪莉もなのだろう。
首がカクカクしていた。