遥(side)



「遥〜!

置いて行くよ〜!」




「分かっている」




あんな怪我をした後でよくそんなに飛び跳ねれるな…。



まぁ、雪莉が全て直したからだろうが。




「遅〜い!

五秒前…♪」




っな!?



俺は急いで荷物を持って階段を降りた。




「ギリギリだね〜♪」




「…煩い」




「じゃあ〜♪

出発〜♪」




俺達は電車駅まで歩いてそこから電車に乗った。




「楽しみだね♪

カレン」




〝ニィ〜♪〟





雪莉、昨日どこか少しおかしかったような…。



俺の前の席でカレンと遊んでいる雪莉を見ながらふと思った。



『私がいるから…』



陰狼の言葉だけじゃない。



頭の中でいつもの雪莉なら考えない事を考えている。




「遥♪

見てみて!

海だよ!海だよ!」




「あぁ」




あんたは何を思っている?




「この海を越えたら山の中に

入っていくからもう海は見れないよ」




「そっかぁ」




「大丈夫♪

帰りも見れるよ」