桜ノ雫 ~記憶編~

「雪莉さん。

遥を嫌いになりますか?」




そんなこと決まってる。




「なるわけないよ」




そう言って笑うとユウ嬉しそうに「よかった」といった。




「飛ばしますよ!」




ユウがそう言うと速さが二倍くらいになった。



しばらく行ったその先で目にしたものは信じがたい光景だった。



冬紀が血まみれで、今にも倒れそうな勢いで刀を構えていた。



その刀先にいるのは…遥。




っ!!




「冬紀!!」




私は羽から飛び降りた。



飛び降りる途中で姿を変幻させて。




「雪莉…。

遥…を、助けて…」




「っ!?」




遥の方を急いで振り返った。




額には酒呑童子特有のツノ。



いつものように薄く擦れるような目は、赤く血の様に染まっていた。




「遥…??」




声が震える。



怖い…。



その姿は昔私が見た…酒呑童子そのものだった。



また、酒呑童子が私の周りの人を傷つけてしまう。



また、失ってしまう。