桜ノ雫 ~記憶編~

「待って、酒呑童子の血が

…どうして遥の血に紛れてるの?!」





「…封印されたのです。

遥が産まれて五年程経った時

酒呑童子は怨霊として遥の一族

桶鬼家を襲いました。

その時、遥の一族は

妖怪返りである遥を嫌っていたので

その腹いせにでしょう…。

まだ幼い遥の体に酒呑童子の怨霊を

封じめたのです」




じゃあ、酒呑童子は私のお母さんだけでなく遥を苦しめているってこと?




その時、記憶の断片が頭の中に流れてきた。






『俺に酒呑童子の血が流れている以上

今後一切俺には関わるな』




『っ。

そんなの…嫌!

酒呑童子の血が流れていても、

遥は遥だよ。

もぅ、一人で抱え込むのはやめて…。

遥が私を守ってくれるって

言ったように私も遥を守りたい。

支えたいよ…』




『…それでも!

あんたの母親を殺したのは

俺の中の酒呑童子の怨霊。

つまり俺同然なんだ』




『違うよ!

お母さんを殺したのは確かに

酒呑童子かもしれない。

でも、遥だって酒呑童子の

せいでずっと苦しんできたじゃない!

私は…。

どんな定めだとしても

遥とは離れたくないよ…』




『…雪莉』




思い出した。



遥と私は一度酒呑童子の事で喧嘩していたんだっけ。



酒呑童子…。



遥の中から鬼の血…詰まり怨霊を取り除けないかな…。