桜ノ雫 ~記憶編~

僕がこいつを片付けていたら遥はこんなことにならなかったのに。



あ〜もぉ!



イライラする。



僕は手に氷柱を作った。




「初めからこうすればよかったんだ」




〝っないしてやがる!!

おい!!

テメェその目はさっきと

違うじゃねぇか〟




当たり前でしょう?



僕がキレる要素はたくさんあったんだから獣目になったっておかしくない。



僕は氷柱を猿鬼の首に押し付けた。




〝くそぉ!

鬼火!!〟




猿鬼は黒い鬼火を出した。



そしてそれを自分の周りに集め発火させた。




「めんどくさいなぁ」




僕はすぐにその場を退いた。




〝ッキッキッキ。

たかが氷が俺に

食いかかってんじゃねぇよ〟




あぁ、耳障り。




「その『たかが氷』に殺されたら

君、鬼としてクズだね」




〝あ”ぁ?〟




「聞こえなかったの?

クズだって言ったの」




いちいちイライラ奴だなぁ。



めんどくさい。



氷虎になってもいいよね?



僕は妖怪返りの姿から本来の氷虎の姿になった。