…着いた。



待って…誰かいる…。



輝は気づいていない…?



今は秋だから普通の人からはただの裸の木なんだけど…。




「待って、輝…」




「え?

どーしたの?」




やっぱり気づいていない。



私は静かに指で教えた。




「っ?!」




気付くの遅い…!



そう目で訴えると「ゴメンゴメン」と小さな声で言った。



もぅ。



それより、誰だろう。




「××…(ボソッ)」




え??



今あの人…。



すごく泣きそうな顔をして…。



何かを…




「あの!」




「!?」



深くフードをかぶってあるから顔は見えないけど驚いたのはすぐに分かった。



そして逃げようとした。




「お願い待って…!」




そう言って逃げようとしたフードの人の袖を掴んで引き止めた。



するとバランスを崩して…?!




「っ!!」




倒れる…!



地面への衝撃を覚悟して目をぎゅっと瞑っていた。



…でもいつまでたって衝撃がこなくて恐る恐る目を開けるとそこにいたのはフードが取れて心配そうな顔をして見つめるあの男の人。