桜ノ雫 ~記憶編~


〝ッキッキッキ。

お前の中にいるのは呪われた血。

人間に一度は滅ぼされ、

二度目の復活には桜九尾に体を滅され

どこにいるのかと思えば、

こんな人間の体の血に封印されていた

なんてなぁ。

ッキッキッキッキッキッキ〟




ダメだ。



抑えられないっ。



ドクン。ドクン。ドクン。ドクン。



俺は心臓の部分を押さえて膝をついた。





「遥の目が紅く染まって…!

遥ダメです!!

飲まれないで下さい!!」




ドクン。ドクン。ドクン。ドクン。



ユウの声も聞こえぬようになってきた…。



呑まれてしまうのか…。



みんなを傷つけてしまう。



…また雪莉を悲しませてしまう。