桜ノ雫 ~記憶編~



雪莉(side)



優希、昔あった時より苦しい思いをしてた…。



でも、私達に見せた『ありがとう…』の笑顔は柔らかかった。




「優希は相手を眠らす力の

コントロール、上手くなった?」




「ぜーんぜん♪

この力はコントロール出来ないみたい。

だから手袋してるんだ♪」




そう言って私の頭を撫でてくれた。



だから黒い皮手袋をしていたんだ…。




〝ニィ!〟




??



尾咲狐…。




「付いて来ちゃったの?」




私の方によじ登った尾咲狐に聞いた。



確かにあの町に置いてきたのに…。



窓から入ってきた尾咲狐を見ながら首を傾げていた。




「もしかして…一緒にいたいの?」




〝ニィ♪♪〟




「じゃあこれから家族だよ♪」




〝ニィ♪〟




「ねぇ、雪莉。

尾咲狐って初めそんなに桜色だった?」




やっぱり…。



桜色じゃなかったんだ…。




「真っ黒だったよね…」




コクン




「いつの間にか桜色になっててそれに

胸の所にも桜のマークがあるの…」




「本当だ…」




初めは黒かった目、今は私と同じ桜色の目。