鳥籠の底は朱い道

――後から知った事実。
それは朱道が初めてこの森から降りて行った町での事。
そう、その町とは言うまでもないあの日クロを尾行して見つけた村。
その村ではクロを“悲劇の猫”として可愛がられていた。
 
クロに起った悲劇。

クロは元々この村に住みついた三匹家族の野良猫だった。村のみんなからは可愛がられていたが事件が起きた。
それは突然に狂ったかのように暴れるクロの親猫。そのどちらとも急に凶暴化してクロを襲い出したらしい。
原因はよく分からないがある種のストレスが原因と言われている。
とりあえずクロは親猫に攻められて逃げるのみだったが、村の人にも被害を加えようとした瞬間、クロは親猫に立ち向かい殺したという。

これがクロの過去。

自分の両親を殺したという朱道と同じ過去を持っていた。
恐らくその日以降クロはこう思っただろう『殺した分、変わって自分が生き続けないといけない』そのために安易に死ねないと。
だからこそクロの目には未来を見据えるしかない。そうゆう自分の罪が自分の生きる力となっていたのだろう。
朱道はそのことを聞いた時、やはり自分と似ているけど違うと感じた。
朱道は確かに両親を、たくさんの人を殺したがその人たちの分まで生きようとは思わない。
そんな罪を背負うと折角見つけた自分の道も崩れていってしまう。
だから朱道は逆に思う。

『オレは今まで殺した分、人よりも生きることが出来る。死が絡む出来事をいくつも乗り越えてきたんだからな』

だから朱道は一番に前朱雀を殺し自分の強さを証明する。

そのために邪魔となる力を持つもの達は構わず叩き潰す。

後、売られた喧嘩は全て勝ってやろうと。そう心に誓った。