……ちょっとその顔やばいから、上目遣いすんなって。
ドキドキ煩い心臓の音を誤魔化すように、ニヤリと笑って見せる。
「月紗から、して?」
「えっ!?」
「月紗からキスしてよ」
そう言うと、そんなの無理だよ、とあわあわと慌て出す月紗。
……俺の事妬かせた罰だよ。このくらいの悪戯、許せよな。
「お、お菓子作ってくるから!」
「……あ?」
「あ、秋の為だけに、またお菓子作ってくるから……許して?」
……そう言う事じゃないんだけど、なんて思いつつ、結局月紗に甘い俺は、それで許してしまう。
教室戻ろう、って俺の手を引く月紗の手を逆に引き、振り向いた月紗に触れるだけの口づけを落とした。