こんなことされたら、本当に。 忘れられなくなる。 「今の姫は、アイツだ」 「……っ」 何かが崩れる音がした。 ……なにを勘違いしてるんだ、私。 「そう、よね。ごめん、返す」 写真を渡して、掃除機を片づける。 「勝手に入って、ごめんね」 そのまま部屋を出ようとしたら、いつの間にか扉は閉ざされていて。 「汐乃」 「っ……」 なぜ、か。 「何、して……っ」 私は麗に、後ろから抱きしめられていた。