「あいつが千夜を部屋に連れ込んだんだろ」
「……たぶん、そうね」
ということは、きっとしばらくもどってこない。
ご飯冷めちゃうけど……まああのふたりはいま熱々だろうし。あとで温め直してあげるとして。
「……あ、そういえば。
トリックオアトリートって言ってなかった」
「……好きにして良いぞ」
「……え?」
唐突に放たれた言葉に、思わず首をかしげる。
好きにしていいって……?なにが?
「今年は仕事でどこか寄ってる暇なかったからな。
何も買ってやれてねえし、イタズラ、好きなだけして良いぞ」
にやり。不敵な笑みを浮かべるわたしの旦那様。
その姿は、とてつもなくかっこいいけど。……うん、かっこいい、けど。
「……あの。
イタズラしてあげない、っていうイタズラの選択肢、は」
「へえ」
怖い。笑みが怖いです、麗さん。
「ならお菓子よりも甘いもの、か」
なんかそのセリフ2年前にも誰かから聞いた様な気がするけど……っ!
「楽しみにしとけよ?汐乃」
やっぱりこの人には、一生勝てない。
【Fin.】



