声をかければ、振り返って「なぁに?」と返事する。



優しい雰囲気が、消えることはない。



「さんきゅ」



「ふふ、どういたしまして」



「……なんの話だ?」



「私と雅の秘密、よ」



くすっと笑って、キッチンにもどってしまう母さん。




タイムリミットが明日なら、明日でいい。



俺は俺が出来ることを、やるだけでいい。



そう思えば、だいぶ楽になった。



未来なんて、まだ誰にもわからねぇけど。



だけど、この先の未来に一緒にいるとしたら、俺はアイツを選ぶ。



隠したって伝わらねぇんだから、伝えるしか選択肢はねぇもんな。



タイムリミットまで、あと1日。



──俺がアイツに伝えるまで、あと1日。



【Fin.
この番外編は新作【GAME OVER】に出てくる、とあるシーンの前日の雅sideです】