……そして、この子が生まれてから問題発生。



赤ちゃんが女の子で、パパが溺愛してるという図はよくある。



の、だが。



私たちの場合、そうじゃない。



麗が、雅を溺愛しちゃってる感じだ。



悪いわけじゃないし、むしろ。



「汐乃と俺の子なんだから、男でも可愛いもんは可愛いだろ」



そう言ってくれるから、嬉しいのだけれど。




……だけど。



「麗」



「……ん?」



「私が雅の面倒見てるから、カレーが温まったらお皿に移してくれる?」



「……俺が、」



「私が面倒見てるから」



この人は、雅を少し溺愛しすぎだ。



雅と一緒にいたら私の言葉も曖昧にしか聞いてないんだから、まったく。