その心配は、ないみたいだ。 「……離さないで、いてくれるの?」 「お前まだそれ付けてんだろ」 俺がやった指輪、と言われて頷く。 「……よかったな、今日が総会の日で」 「え、」 「先代の幹部が集まる日だったから、俺等もいたんだよ」 じゃなきゃ会えなかった、と言った麗は。 「お前がいるなら、早く帰りたいけどな」 「……麗」 「とりあえず、これぐらいは許せよ」 そう言われて、いきなり唇が重なる。 「っ、」 ちょ、何してんのこの人。 公衆の面前って分かってますか。 そう言いたくなるけど。