私の通うこの学校には、龍錬花(リュウレンカ)という暴走族も通ってる。



龍錬花は、関東一帯を占める巨大な組織。



早い話、2年前私は龍錬花の姫だった。



無駄に美形揃いな幹部に護られる唯一の女の子。



なかでも1番に美形な総長──千之 麗(センジ レイ)の彼女で。



学校の女子からは恨まれ、羨まれ。



そんな存在だった私。




だけど、2年前のある日。



何も知らない私は、突然麗に「裏切り者だ」と言われてしまった。



裏切ってなんか、ないのに。



でも、幹部の誰も信じてくれなかった。



……時雨、以外は。



今でも龍錬花の幹部である時雨は、全校生徒を敵に回した私に関わってくれる。



突き放しても話しかけてくる時雨に、飽きないのか、とたずねたら。



「シオが好きだから」と返され、それ以来突き放さないことにした。



好きだと言ってくれる存在がいるだけで、私は救われるから。