穏やかで、優しくて。 でもどこかその声には威圧感があって。 瞬時に、幹部が姫を囲む。 それは向こうも、同様らしい。 “徹”も、姫を護る幹部のひとりだったってわけか。 「へぇ、愛されてんだねお姫様」 「っ、」 「だけどそれも、すぐ終わるよ」 ──そこで見てなよ。 そう言った、総長らしき男が動く。 その、一瞬の間に。 「予定通り動け」 すかさず、麗の指示が入ったかと思えば。 「……綺麗な人間って、ムカつくよね」 男がこっちに足を動かしたとき。 もう俺等幹部の元に、姫と総長はいない。