ふわ、と。 まるで夢の世界にいるような感覚に陥る。 それが、少しだけ怖くて。 朧げな明かりに、手を伸ばしたとき。 「、」 優しくその手が、何かに包み込まれる。 その何かを、確認しようと意識がはっきりとしてきたとき。 「麗……?」 私の手を握ったのは、彼の手だということに気がついた。 「ん。はよ」 「お、はよ」 状況が掴めない。 私彼の腕の中で泣きじゃくって、それで。 「ここ、」 「俺の部屋」 どうやら眠ってしまった間、私は倉庫にある彼の部屋に連れてこられたらしい。