「私の、ため……?」
静まり返った部屋の中にポツリと落とされた、シオちゃんの言葉。
「私のために、麗はあえて私を手離した、の?」
「『出来れば残酷な方法で』ってアイツは言ってたからな。
でも、それが目的でお前を裏切り者にしたわけじゃない」
「、」
「お前がまた俺等に関わってきたら、アイツがなにをするか分からないだろ。
だから、裏切り者って言ったらお前は俺等に近づかないって分かってたからな」
「っ……」
シオちゃんが、目に涙を浮かべた。
そんなの聞かされたら、僕だってきっと泣いちゃうよ。
「そんな、の」
「その分お前の学校での居場所がなくなったのは知ってるし、それについては本当につらい思いさせて悪かった。
でもな、汐乃」
シオちゃんは泣きそうなまま、麗くんを見つめて。
「俺は、お前のことを1度たりとも嫌いだと思ったことはない」
その言葉に、耐えきれなくなったのか。



