沙和からデータはもらっていたし、写真も見せてもらったから分かる。
「龍錬花って、無防備すぎ。
姫は放ったらかしだわ、元姫に構うけど放ったらかしだわ」
「チッ」
「挙句の果てに、さっきから見てたけど総長と幹部だけ先に来ちゃうんだもんね。
俺等が拳銃でも持ってたら、君ら殺されちゃったんじゃない?」
楽しげな、その声に。
汐乃の瞳に、怯えが滲み出る。
怖いに決まってるだろうな。
「何、言ってるの」
「なぁに?汐乃」
「殺す、なんて……。
簡単に言わないで」
汐乃の目に、涙が浮かぶ。
「……つっまんないなぁ、ほんと」
めんどくさそうに吐き捨てた、ソイツは。



