【完】復讐の元姫




男がそうつぶやいたとき。



「総長……!」



どうやら、梨緒と時雨たちが追いついたらしい。



「麗くん、僕等がここ引き受けるから!」



「ああ。助かる」



頼んだぞ、と凌と先に上に向かう。



さっきの男の相手は時雨だった。



……アイツはケンカしながらも、心理戦だからな。



時雨の心理戦はなかなか強ぇし、たぶん大丈夫だろう。




「……ここか?」



上に上がれば、元々社長室かなんかだったんだろう。



豪華な部屋が1つ。



「だろうな」



「……行くぞ」



「了解」



凌と合図して、扉を開ける。