「そのストラップの裏、なんて書いてある」



『ストラップの裏?

えっとねRから右に矢印があって、S……って』



間違いない。



それ、俺が汐乃にやったやつだ。



「今すぐ下の奴等にそこら探させろ!

おまえはすぐにアイツの居場所調べろ」



『わかった』



電話を切って、急いで着替える。



熱があったのはあったが、大分落ちついて楽だ。




……死角だった。



倉庫に出入りしたら、また狙われるのは分かってたのに。



汐乃にちゃんと護衛でもなんでも付けとくべきだった。



チッ、と。



苛立ちながらスマホと財布だけ持って家を出る。



「あら、麗?

どこ行くの?」



「汐乃探してくる」