「2年粘ったけど、まだ振り向いてくれそうにないからな」 「時雨、」 「だから」 時雨が手を伸ばして、私の頬に指先で触れた。 「シオがアイツ等をどうしたいかで、俺もシオに迫る方法を考える」 いわゆる強行突破、と言われて。 すぐには、理解しきれなかった。 「たとえば……、」 「ん」 「私が、」 奈々と、麗に。 「復讐したいって、言ったら?」 私の言葉に、時雨はふっと笑う。 「手伝ってやるよ。 俺も、碓井奈々と麗のこと嫌いだからな」