そう思ったけど、言わないでおいた。
「シオ、今そこの自販機で飲み物買ってきたから。
冷めないうちに飲んでくれて良いよ」
「え、ありがとう」
「何かなその意外そうな顔は」
「いや、だって……。
沙和が奢ってくれるなんて、」
珍しい、と言いかけたんだろうけど。
「っ、麗?」
彼女をぎゅっと後ろから抱きしめた麗によって、それは叶わない。
「汐乃」
「……麗?」
「……寒い」
麗って、きっと。
普段は無表情だし、あんまり話さないから何考えてるか分からないけど。
シオには、甘えたくて仕方ないのかもしれない。
シオの肩に顔を埋めてそう言った麗は、今まで一緒にいた麗の中で1番幼く見えた。



