「……お前等はそれなりに隠してるつもりかもしれねぇけど」



全部バレてる、という目の前のこの男。



一体何者なんだか。



「俺も時雨も、他のヤツにバレバレだっただろ」



「……他のヤツも、な」



……他のヤツ?



「隠すのが上手いだけで、沙和も梨緒も汐乃が好きなんだろ」



「……は?」



え、なんだそれ。




今初めて聞いたっつーの!



え、つかマジで言ってんの?



アイツのこと好きだったの俺と時雨と麗だけじゃねーの!?



「どうでもいい女を俺は何度も傍に置いたりしない」



呆然とする俺に、淡々と麗は言い放つ。



その後すぐに目を瞑った、その言葉が。



俺の質問に対する答えだったと気付いたのは、奈々以外の幹部が揃ってからだった。



【凌駕sideend】