よく言うよな。



2年もアイツを、ひとりにして。



……いや、違うか。



時雨がいたんだ、アイツには。



じゃあ、別に。



アイツが時雨を好きになってもおかしくない。



敵だらけの学校で、アイツの唯一の味方は時雨だった。




「梨緒と時雨……あと奈々は?」



「奈々は体調不良で保健室。

梨緒と時雨は、向こうで担任に呼び出し喰らってる」



「………」



だから誰もいないのか、と思いつつ。



「なぁ、麗」



たぶん、話すなら今だ。



このタイミングを逃したら、もう話せない気がする。



そんなこと、ないんだろうけど。