「――尾関由香さん。俺と付き合いませんか?」 「……絶対、ダメ!」 二年生の春――。 同じ文系に進んだ聡くんとは、クラスも同じになった。 時折思い出したように、聡くんはあたしに「付き合おう」と言ってくる。 「翠川ー、あんたストーカーになってるし!」 愛美も同じクラスで、呆れたように聡くんを見る。 理系に進んだ笠原くんだけが、この教室にいない。 あの日、笠原くんが真実を知った日……。 あたしは笠原くんを追いかけることを止めたんだ。