「帰ろう。」
滝野さんは私を待っていてくれた。
駐車場へ降りた。
彼の車に乗り込み
私はシートベルトを締めた。
「仁科。」
「はい。」
「君はキスされやすい。」
「見てたの?」
「たまたま目に入った。」
私は気まずかったので話題を変えた。
「お母様は?」
「母はタクシーで帰ったよ。」
「そう。」
薄暗い駐車場は静かだった。
「仁科。」
「はい。」
滝野さんがいきなりキスした。
私が欲しかったものだ。
もっと彼の近くに身体を寄せたかったが
シートベルトが邪魔で動けなかった。
彼が唇を離した。
「もっとお願い。」
私は思わず口走ってしまった。
彼は額と額をくっつけた。
「息が苦しくなるまでお願い。」
「欲張りだな。」
私は頭がクラクラした。
彼のキスで。
私はこんな風に彼のキスで熱くなりたかった。
ずっとそう思っていた。
~ 完 ~
滝野さんは私を待っていてくれた。
駐車場へ降りた。
彼の車に乗り込み
私はシートベルトを締めた。
「仁科。」
「はい。」
「君はキスされやすい。」
「見てたの?」
「たまたま目に入った。」
私は気まずかったので話題を変えた。
「お母様は?」
「母はタクシーで帰ったよ。」
「そう。」
薄暗い駐車場は静かだった。
「仁科。」
「はい。」
滝野さんがいきなりキスした。
私が欲しかったものだ。
もっと彼の近くに身体を寄せたかったが
シートベルトが邪魔で動けなかった。
彼が唇を離した。
「もっとお願い。」
私は思わず口走ってしまった。
彼は額と額をくっつけた。
「息が苦しくなるまでお願い。」
「欲張りだな。」
私は頭がクラクラした。
彼のキスで。
私はこんな風に彼のキスで熱くなりたかった。
ずっとそう思っていた。
~ 完 ~



