力強い腕が、あたしの身体をぎゅうっと締めつけてくる。




空いたほうの手が、キャミソールの裾をまくって、服の中に侵入してくる。






「ちょっ、ちょっ、やめ……って!!」






必死にもがくけど、あたしを抱きしめる腕は緩まない。





そのままお腹のあたりの地肌を撫でられて、さらに鳥肌が立つ。







「………もぉっ、やめろって、吾郎!」






と叫んでから、ん?と思う。





いや、吾郎のわけない!!



吾郎は、とっくの昔に別れた男だ!!





しかも今は、海外に赴任している。




こんなところにいるわけないっ!!






…………ってことは。






「………あんた、誰っ!?」