拘束部屋から出た私は赤い扉を開けた。







「ルナ…____」





ムーサは私の変化に気が付いたのか意味深にコードネームを呼んだ。






「ムーサ。虚影組のロックは終わったかしら?組長と子息の成敗は終わったわよ。」








「終わらせたわ。さっきモルスから購入者リスト等を手に入れたって報告が入ったわ。」







ノートパソコンと睨めっこしてたムーサはソファーに寄りかかり伸びをしながらこちらを向いた。








モルスも成果を上げたそうだし、そろそろ塔に帰ってくる頃だろう。










「何かあったの…?」





「そうね、親子愛を見せつけられて何も感じないってところかしら。馬鹿馬鹿しい…」





「そう…」








ムーサは少し顔を歪めたがそれ以上深く詮索しないように話題を逸らした。









再びムーサはパソコンに向かいキーボードの音だけが響く部屋。





私はシャワーを浴び返り血を流した。








何かが壊れそうだ。







パテルが逝去し、責任が重くなった。






インペラートルが私になったのだ当たり前のことだ。







冷酷になっていく自分を客観的に見てる私はこの世界から抜け出したいのだろうか。











胸が痛まなくなった私はヒトなのだろうか。








熱いシャワーが全部流してくれれば、溶かしてくれれば良いのに。







私はこの世の悪人を消す為に生まれてきたのだ。







家業を潰せやしない。











大丈夫だ。




モルス、ムーサ、ジョクラトルがいる。