身代わり彼女、はじめました。【更新中】

________1年と半年後、通学路にて。

それから俺は、無意識のうちに未来を追うようになった。

季節は移ろい姿を変えていったが、俺の気持ちは変わらない。

クラスメイトからのいじめも相変わらずだ。

だが、今までよりずっと耐えられた。

それは未来の存在があったから。

人一人でこんなにも世界が変わるものかと感心する。

どん底でさまよっていたあの日の俺にはこんな生活、想像も出来なかっただろう。

「晴ちゃん!おはよう!」

未来が慌ただしく俺に駆け寄る。

家が意外と近いと知ってからは、こうして一緒に登下校するようになった。

ささやかな、1日の楽しみ。

「まったく何分待たせるんや!」

「ごめんごめん。」

悪気もなさそうに適当な謝罪をする未来。

まぁいいよと許せば肩を並べて歩き出す。

はたから見ればただのカップルだ。

でもそれは違う。

あくまで片思い。

時々未来は楽しそうに好きな先輩の話や気になる人の話をした。

そのたびにちくり、ちくりと胸が痛む。

やり場のない悲しさに襲われる。

なぁ、未来に俺はどうみえてるん?

俺は男として一緒にはいられんの?

「未来はさ、もうすぐ卒業やろ。進路決まったん?」

「なに急に。まあ一応決まってるよ。もうこんな時期だしね。」

そう。

そんな思いを抱えたまま、俺らはもうすぐ離れ離れになってしまう。

未来が俺の目の前から離れてしまう。

嫌だ。

ずっとそばに居たい。離れたくない。

「俺も、俺も未来と同じ高校行く!!」

「えっ」

未来は驚いたような表情を見せた後、にっこりと笑った。

「うん。待ってる。」

俺の大好きなあの笑顔で。