怜士は並んでいる背表紙を眺めながら、本棚の間をゆっくりと歩いた。 紙の匂いと、静寂。 最初は経済書、次は文芸書。 最後はコミックのところも眺める。 クールジャパンといって、日本のアニメの話題もパーティーで上ることがあったので、チェックはしておく。 ざっと眺めて気に留まった本を数冊買うと、引き上げようとした。 レジ近くのワゴンに積んであるバーゲン雑誌。 こちらに笑いかけている表紙を見て体が硬直した。