* 「元気出しなさいって。 また来年あるんだから」 美和は麗華の頭をなでる。 大学最終年で受けた、都の教員採用試験に見事に落ちた。 「教える仕事なら、色々あるから。 探してあげるって」 「いい」 俯いたまま暗い声を出す。 「麗華~」 「もうパパが見つけてきた」 「さっすが。 何?」 「私立の小学校の先生。 東京じゃないけど」 「どこ? 海外とか?」 「まさか。 私、英語駄目なの知ってるじゃない。 信州にあるプロテスタント校」