Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪


    *


「元気出しなさいって。
 また来年あるんだから」


美和は麗華の頭をなでる。


大学最終年で受けた、都の教員採用試験に見事に落ちた。


「教える仕事なら、色々あるから。
 探してあげるって」
「いい」


俯いたまま暗い声を出す。


「麗華~」
「もうパパが見つけてきた」
「さっすが。
 何?」
「私立の小学校の先生。
 東京じゃないけど」
「どこ?
 海外とか?」
「まさか。
 私、英語駄目なの知ってるじゃない。
 信州にあるプロテスタント校」