少女の手が、届く位置に。
「もう一度言いますわ」
ぽとりと。
「スカーレットより、クリムゾンがお似合いでしてよ。ミリアリア」
以前倒したサバイヴァーのツールを、落とす。ひびの入った、球だ。
倒れたサバイヴァーのツールは失せてしまうのが常だが……
『力を使いきった』ツールは、その機能すら停止してしまったらしい。物珍しいから持っていたが……
少女が動けるようになるだけの『力』は残されているだろう。
少女に背を向ける。……1、2、3歩あるいて、振り返る。
少女は、球を掴み、抱き寄せて、うずくまっていた。
とたん、少しずつではあるが、少女の体が再生を始めた。
燃費は驚くほどにいいらしい。
しかしなぜ……私はそれを見て、安堵しているのだろう。
――胎児が、母胎から栄養を吸収するのにも、似ていた。
気がするから?
(……思い違いですわね。そんな神聖なものではありませんわ)
(……)
イーフリートはなにも言わない。それが、彼なりの答えだった。
「もう一度言いますわ」
ぽとりと。
「スカーレットより、クリムゾンがお似合いでしてよ。ミリアリア」
以前倒したサバイヴァーのツールを、落とす。ひびの入った、球だ。
倒れたサバイヴァーのツールは失せてしまうのが常だが……
『力を使いきった』ツールは、その機能すら停止してしまったらしい。物珍しいから持っていたが……
少女が動けるようになるだけの『力』は残されているだろう。
少女に背を向ける。……1、2、3歩あるいて、振り返る。
少女は、球を掴み、抱き寄せて、うずくまっていた。
とたん、少しずつではあるが、少女の体が再生を始めた。
燃費は驚くほどにいいらしい。
しかしなぜ……私はそれを見て、安堵しているのだろう。
――胎児が、母胎から栄養を吸収するのにも、似ていた。
気がするから?
(……思い違いですわね。そんな神聖なものではありませんわ)
(……)
イーフリートはなにも言わない。それが、彼なりの答えだった。

