「ねえ、クリムゾン」
「……返事はしない」
「勝手に呼びますわ。アナタ、不死身ですの?」
「不死身なら、死は怖くない」
「では怖いのですね、死が」
「怖くないものがあるならば、私は、それが、わからない」
「そうですか。……安心しましたわ。さすがに、不死身を相手にしては、私に勝ち目はありませんもの。ですが――」
変化が、起きた。
「不死身でないなら……っ!」
女の剣が、青い炎を纏う。その刀身が、陽炎を伴って一気に膨張する。
ゆっくりと、女が剣の先端をこちらへ向けた。炎の刀身もそれに習う。
私と女との間にはゆうに十メートルの距離があったが、青い炎の切っ先は、私の鼻先にあった。
「アナタのような化け物には、わたくしがここで引導を渡して差し上げるのが、せめてもの慰めですわ」
「……また、押しつけ」
「化け物として生きるのは、つらいことですよ。クリムゾン」
「……返事はしない」
「クリムゾン」
「しない」
鼻先で燃える炎の剣。
「……」
突きつけたまま私を睨み据える女。
「……」
相対する私は――
「っ」
走り出した。横へ大きく跳んでから、一気に女へ距離を詰める。
「……返事はしない」
「勝手に呼びますわ。アナタ、不死身ですの?」
「不死身なら、死は怖くない」
「では怖いのですね、死が」
「怖くないものがあるならば、私は、それが、わからない」
「そうですか。……安心しましたわ。さすがに、不死身を相手にしては、私に勝ち目はありませんもの。ですが――」
変化が、起きた。
「不死身でないなら……っ!」
女の剣が、青い炎を纏う。その刀身が、陽炎を伴って一気に膨張する。
ゆっくりと、女が剣の先端をこちらへ向けた。炎の刀身もそれに習う。
私と女との間にはゆうに十メートルの距離があったが、青い炎の切っ先は、私の鼻先にあった。
「アナタのような化け物には、わたくしがここで引導を渡して差し上げるのが、せめてもの慰めですわ」
「……また、押しつけ」
「化け物として生きるのは、つらいことですよ。クリムゾン」
「……返事はしない」
「クリムゾン」
「しない」
鼻先で燃える炎の剣。
「……」
突きつけたまま私を睨み据える女。
「……」
相対する私は――
「っ」
走り出した。横へ大きく跳んでから、一気に女へ距離を詰める。

