† 仁
上下左右不明、浮いているのか、はたまた生き埋めになっているかもわからない、真っ白という名の闇で、
「どちくしょうめ……!!」
俺はガリガリと頭を掻いた。
いつか忘れた日から、肩上まで短くなった黒髪が、バラバラと乱れるが、知ったこっちゃない。
今問題なのは、俺を狙う魔導師が、この『狭間』から出た世界にいるってことだ。
幸い、俺の名前はいかの時から本物であり、偽りだ。名前で殺すことはできない。
空き缶からの生命情報も、微々たるものだから、まだ助かったのだろう。
下手をすれば、あの激痛は俺を即死させていたのだ。
(ち。――何百年経とうと変わりやしない……)
つまらないことをぼやきながら、俺は『狭間』の扉を開く用意をする。
つまらないことの繰り返し。
狙い狙われて、命をやり取りする。
代償に世界は応えてくれる。
代償の報酬……命のやり取りもしかり。
ならば、俺は、今までやってきたことを、繰り返す。
存在を定義しよう。
俺は、死ぬわけにはいかない。
だから、ならば、俺に向かってくるヤツを、倒す。
答えは、いつも簡単だ。
俺は、『狭間』の境界を、こじ開けた。
上下左右不明、浮いているのか、はたまた生き埋めになっているかもわからない、真っ白という名の闇で、
「どちくしょうめ……!!」
俺はガリガリと頭を掻いた。
いつか忘れた日から、肩上まで短くなった黒髪が、バラバラと乱れるが、知ったこっちゃない。
今問題なのは、俺を狙う魔導師が、この『狭間』から出た世界にいるってことだ。
幸い、俺の名前はいかの時から本物であり、偽りだ。名前で殺すことはできない。
空き缶からの生命情報も、微々たるものだから、まだ助かったのだろう。
下手をすれば、あの激痛は俺を即死させていたのだ。
(ち。――何百年経とうと変わりやしない……)
つまらないことをぼやきながら、俺は『狭間』の扉を開く用意をする。
つまらないことの繰り返し。
狙い狙われて、命をやり取りする。
代償に世界は応えてくれる。
代償の報酬……命のやり取りもしかり。
ならば、俺は、今までやってきたことを、繰り返す。
存在を定義しよう。
俺は、死ぬわけにはいかない。
だから、ならば、俺に向かってくるヤツを、倒す。
答えは、いつも簡単だ。
俺は、『狭間』の境界を、こじ開けた。

