シャーリーが、窓の外でまたにやり。
夜だから、真っ黒い彼女の表情がわかる俺は、生粋だろう。
そう俺は、生粋の魔導師なんだ。
“どうしてそいつを攻撃するの?”
という問いに俺は、はっ、と溜め息だかなんだかわからないものを交えながら、笑った。
「シャーリー、俺はもう二度と、俺の近くで、魔法使い関係の厄介事は起きてほしくないんだ。だから――」
“だから?”
「気付かれる前に、俺のほうから、潰しにかかるんだ。俺は、俺の守りたいものを守る」
そうとも。絶対に。美琴さんや、由良……俺の、居場所を。
シャーリーが、ふるるとかぶりを振ったようだった。
“今日仕留められなかったのはどのみち痛かったわね。一撃で仕留められなきゃ。呪いは二度も通用しないでしょ?”
「そうだな……でも」
俺は、するりと歩を進めた。
今は停止している魔法陣から、出る。
シャーリーの向こう、窓から注ぐ光は、満月。
「夜は――魔法使いの時間は、まだ始まったばかりさ」
夜だから、真っ黒い彼女の表情がわかる俺は、生粋だろう。
そう俺は、生粋の魔導師なんだ。
“どうしてそいつを攻撃するの?”
という問いに俺は、はっ、と溜め息だかなんだかわからないものを交えながら、笑った。
「シャーリー、俺はもう二度と、俺の近くで、魔法使い関係の厄介事は起きてほしくないんだ。だから――」
“だから?”
「気付かれる前に、俺のほうから、潰しにかかるんだ。俺は、俺の守りたいものを守る」
そうとも。絶対に。美琴さんや、由良……俺の、居場所を。
シャーリーが、ふるるとかぶりを振ったようだった。
“今日仕留められなかったのはどのみち痛かったわね。一撃で仕留められなきゃ。呪いは二度も通用しないでしょ?”
「そうだな……でも」
俺は、するりと歩を進めた。
今は停止している魔法陣から、出る。
シャーリーの向こう、窓から注ぐ光は、満月。
「夜は――魔法使いの時間は、まだ始まったばかりさ」

